パソコンを買い替えたとき、一番苦労するのがアプリや設定の引き継ぎではないでしょうか。
アプリ自体はインストールしなおせばなんとかなりますが、前のパソコンで行っていたた設定などは、画面を見ながらなどして移行する必要があります。
アプリによっては、設定ファイルをコピーすることで移行可能なものもありますが、その設定ファイルがどこにあるのか不明なことも多く、設定内容がレジストリにかかれているアプリは、移行のハードルがかなり上がります。
こんなときに便利なのがパソコンの引越し専用アプリです。
今回は、EaseUS社から発売されている「EaseUS Todo PCTrans」を使って、Windows10からWindows11への引越しを試してみました。
EaseUS Todo PCTransとは
実際の引越し前に「EaseUS Todo PCTrans」で出来ることをメモっておきます。
- データ・アプリの移行
- Windowsで動作する様々なアプリやデータ、アカウントを移行することが出来ます。
- 異なるOSへの移行(古いOSから新しいOS)
- WindowsVista以降のOSをサポートしています(Windows11へはWindows10のみ)。
- 32ビットから64ビットへの移行(片方向のみ)
- 故障したPCのデータレスキュー
- 故障したPCのディスクを物理的に接続することができれば、そのディスクからデータを復元することが出来ます(ディスクが物理的、ソフト的に破損していないことが条件になります)。
- プロダクトキーの確認
- Windows10やMS-Officeなどのプロダクトキーを確認することが出来ます。
EaseUS Todo PCTransをインストールする
EaseUS Todo PCTransのインストールは簡単です。公式ページから「無料ダウンロード」をクリックし、ダウンロードしたファイルをインストールします。
ここで一つご注意!
引越しの場合は、引越し元と引越し先のそれぞれに「EaseUS Todo PCTrans」をインストールする必要があります。
では、実際にインストールしてみましょう。
ダウンロードしたファイルを実行します。「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」をクリックします。
「EaseUS Todo PCTrans インストーラー」が表示されますので「今すぐインストールする」をクリックします。
「インストール中」が表示されます。
「完了しました」の画面が表示されます。
「今すぐ始める」ボタンをクリックすると「EaseUS Todo PCTrans」が起動します。
Window10からWindows11へ引越ししてみる
EaseUS社の公式ページによると、引越し方法は以下の3パターンがあるようです。
- ネットワーク経由でのデータ移行
- イメージファイル経由でのデータ転送
- ローカル転送
今回は、ネットワーク経由でのデータ移行を試してみます。
僕のWindows10には以下のアプリがインストールされています(主なものを抜粋)。
- Adobe Acrobat DC (64bit)
- FreeWay経理 Lite(会計ソフト)
- Google Chrome
- MS-Office Standard 2016
- 法人税申告お助けくん2(確定申告ソフト)
まず「EaseUS Todo PCTrans」を引越し元のWindows10と引越し先のWindows11にそれぞれインストールしました。
次に、引越し元のWindows10で「EaseUS Todo PCTrans」を起動します。
「PCからPCへ」が表示されますので「スタート」ボタンをクリックします。
このPCを新しいPC(転送先)にするか古いPC(転送元)にするかの選択画面になります。
古いPC(転送元)をクリックします。
PCを検索中になります。
今度はWindows11で「EaseUS Todo PCTrans」を起動します。
Windows10の画面に戻ると「PCが見つかりました」と表示されますので「接続する」ボタンをクリックします。
アプリや環境を分析し、転送したいデータを選択する画面になります。
引越しできるデータは、
- アプリケーション
- ファイル
- アカウント
標準ではどれも選択されていないので、ご自分で引越ししたいアプリやファイル、アカウントを選びます。
では、アプリは全部、ファイルはCドライブ全部を選択しました。
ファイルに関しては、システムファイルや重複ファイルはコピーしない設定になっているので、OSが違っていても大丈夫のようです。
また「新PCのオペレーティングシステムに復元ポイントを作成する」にチェックが付いています。
万が一、転送がうまくいなかくても、新PCを引越し前の状態に戻すことが出来ます。
では、「転送」ボタンをクリックして引越ししてみます。
転送元の作業中はこんな画面です。
こちらはWindows11のほう(転送先)。
転送が終わると「完了」画面にログが表示されます。確認して「OK」ボタンをクリックします。
引越し先の動作確認
では、引越し先でざっくりと動作確認してみます。
まずは、会計ソフト。これが動かないと困るので。
無事に起動しました!!
次は確定申告ソフト。こちらも僕にとっては必須ソフトです。
マイドキュメントに保存しておいた前期申告ファイルを読み込むことで、正常に動作しました。
Chromeはプロファイルを2つ作って使い分けています。デスクトップアイコンも正常です。
Chromemoも別ユーザできちんと立ち上がりました。
あとはMS-Office。ライセンスがきちんと移行されているかが問題。
Wordを起動してライセンス情報をみると正常でした。
outlookのデータは移行されたか?
Windows10ではoutlookでメールを受け取る設定をしておきました。
それが移行されているかを、Windows11で確認してみましょう。
outlookのデータ移行は、メールデータと設定内容の2つです。
僕はメールをPOPしているのでメールデータが正しく移行されてるのは結構重要です(一応、サーバーに残すようにせってしていますが)。
outlook2016を起動したところ、受信トレイは正常に表示されました。
次はアカウントの設定です。メールサーバーへのログオン情報のパスワードが空欄になっていたので、パスワードを入力して「アカウント設定のテスト」を実施したところ、正常に動作しました。
以上、今回はどのアプリも無事に引っ越しすることが出来ました!!
プロダクトキーの確認機能
個人的にとても良いなと思ったのが、プロダクトキーの確認機能です。
これは、画面左の一番下にあり、クリックしてスキャンすると、Windows、Adobe、Officeのプロダクトキーを確認することが出来ます。
再インストールのためにWindows10のプロダクトキーを確認できるので、とても便利だと思います。
また、「保存」ボタンをクリックすると、表示されたプロダクトキーをテキストファイルに出力することができます。
ちなみに、コマンドプロンプトやWindowsShellを使うとOSのプロダクトキーを確認することが出来ますが、けっこうめんどいです(^^;
その点「EaseUS Todo PCTrans」だと、プロダクトキーが一覧で表示されて、テキストファイルにも出力できるのでいいと思います。
まとめ
さて、「EaseUS Todo PCTrans」を使ってパソコンの引越しをやってみた感想です。
自分のパソコンは今まで、MS-DOSの時代から、10世代以上のパソコンを取り替えています。
これまで、移行作業はすべて手作業で行ってきました。
OSのインストールからアカウント作成、アプリのインストール、そして、一番たいへんなのが設定。
設定内容はテキストファイルにメモっておいたり、画面をスクショしておき、それを見ながらの移行作業でした。まぁ、結構(かなり)大変な作業です。
パソコンの引越しアプリの存在は知っていましたが、「どこまで使えるのかな(=あまり使えないんじゃない?)」というのが正直なところでした。
今回「EaseUS Todo PCTrans」を使ってみて、その印象はガラッと変わりました!
「こんなに便利なアプリをなんで今まで使わなかったんだろう」というのが今の感想です。
パソコンの引越しは、そうそう何度も行うことではありません。それゆえ、いざやるときは、昔の設定とか忘れてしまうんですよね。
また、手作業でやっていたときと比較すると、ミスが少なくなり、時間も短縮されます。
「転送」のボタンを押したらあとはほったらかしというのも素晴らしいです。
また、アプリやデータの移行方法が複数用意されているのもいいですね。
今回はネットワーク経由でしたが、ファイルを作成しておけば、バックアップとしても使えます。
古いパソコンからディスクを取り外して、ディスク間で移行すれば、ネットワーク経由よりもずっと速いスピードで移行することが出来るでしょう。
これからはWindows10からWindows11へ乗り換える方も多くなると思います。
ぜひ「EaseUS Todo PCTrans」を活用して、安心、安全、楽ちんなパソコン引越しを体験してみてください。
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